日本白血病研究基金受賞者の声

小児ALL造血器腫瘍は8割から9割が治る時代
残り1割の患者さんを救い、根絶するために

平成25年度 日本白血病研究基金クレディセゾン賞受賞
京都府立医科大学大学院医学研究科小児発達医学 講師  今村 俊彦氏

受賞テーマ:「IKZF1欠失陽性急性リンパ性白血病の発症に関わる新規融合遺伝子の機能解析」

このたびは大変名誉あるクレディセゾン賞をいただき、誠にありがとうございます。選んで下さった運営委員の先生方、寄付金を寄せて下さった皆様に心よりお礼申し上げます。

私は小児がんに携わり、すでに19年目です、造血器腫瘍の中でも特に子供に多い急性リンパ性白血病(ALL)の研究をして参りました。

小児のALL治療は非常に進歩し、現在8割から9割の患者さんが治る時代になりました。
こういった造血器腫瘍は、もしかしたら克服できるのではないかといえるようなところまでついに来たと感じています。
しかし、1割の患者さんは、今の医療をもってしても治すことができません。

私は長く小児ALLの遺伝子解析に携わって参りました。今回、本賞の応募テーマとして提出させていただいた「IKZF1」という転写因子の欠失したタイプの白血病は、予後が悪いといわれています。そういった白血病の遺伝子を細かく追っていき、ようやく治療の標的となるような異常が見つかってきたところです。
それを治療に活かすべく、そのような遺伝子の機能解析を研究テーマとして本賞に応募させていただき、無事受賞することができました。

昨日、歴代の受賞者を拝見いたしました。私が白血病の研究者として非常に尊敬している多くの先輩方や、すでに研究をリードされている現役バリバリの研究者の方々など、沢山の方々が受賞されていました。これを拝見して私自身も白血病研究の進歩にしっかりと貢献できるよう目指していかなくてはいけないなと、身の引き締まる思いです。これから多くの先輩方や多くの同僚の方々と協力しながら、白血病研究が前進していくよう頑張って参ります。

平成25年11月9日
贈呈式にて今村氏挨拶

歴代の受賞者の声

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