白血病は血液のがんです。血液は、骨髄の造血幹細胞から作られますが、この造血幹細胞の一部が、がん化して無制限に増加してしまう病気です。 多くのがんは中高年に発症しますが、白血病の場合、乳児期から高齢者まで幅広く発症します。 がん化した、白血病細胞が増加し、正常な赤血球や白血球が減少するため、赤血球減少(貧血)に伴う症状(倦怠感、動悸、めまい)、 白血球減少に伴う感染症(発熱)、血小板減少に伴う出血病状(歯肉の腫脹や歯肉出血など)から、白血病が疑われ、 精密な血液検査などを行い診断が確定していきます。 がん化する細胞の種類により急性リンパ性白血病や、急性骨髄性白血病など様々な白血病の種類があります。
【参考リンク】 わかりやすい白血病の話
白血病はがんによる4大死亡要因のひとつで、とりわけ小児のがんの中では約4割 を占める病気です。
また、高齢化社会を反映して高齢者の白血病も増加しています。日本で毎年、白血病に代表される血液関連臓器のがんで亡くなる患者さんの数は、約20000人にものぼっています。これは交通事故で亡くなる方の数のほぼ2.5倍に匹敵します。
白血病は胃がんのような固形がんとちがって外科的切除はできず、抗がん剤を使った薬物治療、放射線療法、骨髄や臍帯血を用いた造血幹細胞移植などによって治療 がおこなわれます。以前は不治の病と言われておりましたが、多くの研究者の努力により得られた数々の成果により、白血病の治療成績は確実に進歩してきましたが、まだ、白血病の撲滅 には至っておりません。 ひとりでも多くの患者さんの命を救うためには、今後も治療法の研究が非常に重要です。 また、発症の予防、早期発見、再発の予防などのためには、なぜ白血病になるのか といった基礎的な研究も白血病の撲滅のために、忘れることはできません。 日本白血病研究基金は一貫してこのような研究の支援を行っています。